窓ガラスフィルムのUVカットメカニズムは、とても単純で、フィルムの基本構造に、その性質が組み込まれています。
図は、一般的な飛散防止フィルムの基本構造なのですが、これは、建築用ガラスフィルムであれば、大きく変わることはありません。
①ハードコート → フィルムの表面に傷をつきにくくする役割があり、フィルムの種類によってはないものもあります。
②高透明PETフィルム → ガラスフィルムの基材で、PETと呼ばれるポリエチレンテレフタレートで、ペットボトルでも用いられています。
③透明粘着剤 → 窓ガラスにフィルムを接着させる粘着剤で、フィルム基材を保護する為の紫外線処理剤が配合されているので、紫外線を99%カットする性質があります。
④セパレーター → 粘着剤面を保護する為のフィルムで、施工の時に剥がします。
もうお分かりですね、フィルムを構成に使われている、③の透明粘着剤が持つ、UVカット効果によって、窓ガラスにフィルムを貼るだけで、紫外線を99%防いでくれるのです。
遮熱や断熱、防犯といったフィルムでも、同様に透明粘着剤が使われるので、UVカットも兼ね備えるということになります。
UVカットに関して、建築窓ガラス用フィルムのJIS規格では、紫外線領域を、地表に届くUV-B域(300㎜~315㎜)及び、UV-A域(315㎜~380㎜)の放射と規定しているのですが、化粧品などが対象としている、環境省が定めた紫外線領域(280㎜~400㎜)をカバーしたフィルムも作られています。